DENTORY JOURNAL
AIで、思いついた業務アプリをまず形にしてみる
日々の技工作業で感じた小さな不便を、AIを活用して業務アプリとして形にしました。症例写真、使用材料、配色、焼成条件などを記録し、過去の症例を次の製作へ活かすための取り組みをご紹介します。
歯科技工作業では、使用した材料名だけでなく、配色、濃度、重ね方、焼成条件、完成後の色調、症例写真など、後から確認したい情報が多くあります。
これまでも写真やメモを残していましたが、症例数が増えると、必要な記録をすぐに探すことが難しくなることがあります。
小さな不便から、まず試作品へ
そこでDentoryでは、「症例写真と使用材料、配色レシピを一つの場所にまとめて保存できたら便利ではないか」と考え、AIを活用して小さな業務アプリを作成しました。
高度なシステムを一度に作ることが目的ではありません。日々の仕事の中で感じた不便を、まず簡単な試作品として形にし、実際の技工作業で使いながら調整しています。
症例ごとの情報を一つの場所に
現在は、症例ごとに次のような情報を記録できるようにしています。
- クリニック名
- 患者名
- 症例名
- 対象歯番
- 症例写真
- 使用材料
- 配色や濃度
- 焼成条件
- 設計意図や注意事項
- 次回製作時に確認したいメモ
基本情報をまとめておくことで、写真と技工メモが別々の場所に残ることを減らし、後から症例の経過を振り返りやすくしています。
使用材料と配色レシピを整理する
材料についても、Dentoryで実際に使用しているセラムアート、ポーセレン、ジルコニア用カラーリキッドなどを登録し、症例ごとに使用したものを選択して保存できるようにしています。
材料名だけでなく、配色や濃度、重ね方、焼成条件を一緒に記録することで、似た症例や再製作時に過去の考え方を確認しやすくなります。
症例写真と記録を結び付ける
症例写真は、歯番、写真の分類、メモと一緒に保存できるようにしています。完成時の色調や形態を画像で確認しながら、そのときの材料選択や技工上の注意点を振り返るためです。
画面に表示している医院名や患者名は入力例で、掲載画像に実際の患者情報や医院情報は含まれていません。
過去の症例を探しやすくする
患者名、医院名、歯番、材料名などから過去の症例を検索できるようにし、似た条件の症例や再製作時に、必要な記録へ早くたどり着けるようにしています。
記録を残すだけでなく、必要なときに見つけられることが、次の製作へ活かすうえで大切だと考えています。
記録したデータをバックアップする
症例や材料の記録は、必要に応じてバックアップし、復元できるようにしています。写真を含めるかどうかも選択でき、日々蓄積するデータを扱いやすい形で保管することを意識しています。
完成形ではなく、使いながら整える
このアプリ自体が完成形というわけではありません。実際に使用しながら、「この項目も必要」「ここはもっと簡単にしたい」と感じた部分を少しずつ追加、修正しています。
AIを活用することで、以前なら専門業者への依頼を検討していたような小さな業務ツールも、まず試作品を作り、実際の仕事で試しやすくなりました。
ただし、AIが色調や技工物の品質を自動的に決めるわけではありません。記録をどう読み取り、どの情報を次の製作へ活かすか、そして最終的な判断と技工作業を行うのは歯科技工士です。
小さな改善を次の症例へ
Dentoryでは、AIを単に文章や画像を作るためだけではなく、技工作業の記録、症例管理、再現性の向上など、日々の実務にも活用していきたいと考えています。
大きなシステムを一度に作るのではなく、仕事中に思いついた小さな改善を、まず形にして試してみる。今後も、実際の技工作業に役立つ使い方を少しずつ増やしていく予定です。
Dentoryでは、デジタル技工だけでなく、症例記録や材料管理についても、日々の業務に合った方法を取り入れています。小さな改善を積み重ね、過去の記録を次の症例に活かせる環境づくりを進めていきます。